公的保険でのリハビリテーションには期限というものがあります。これは病気によってそれぞれ違いがあるのですが、最長でも180日。それを超えると毎月のリハビリ回数に制限が出たり、終了という形になります。皆保険制度にも財源が限られているためです。
我々が病院などの施設内で身体機能向上を求めるリハビリテーションに携わるときには各患者様の現状を把握します。それを踏まえてその方の生活背景までを含めた身体機能ゴールを定めて介入していくのですが、これは期限内にどこまでを目標とするのか、という事です。
つまり、ゴールという言葉ではありますが目標なんです。
人生のゴールは万人に与えられている「死」なのかなと。
身体機能のゴールはどこなのでしょうか。
ヒトは普通に生活しているだけで必ず衰えていきます。脳の病気も骨の病気も一度患ってしまえば元に戻る事はありません。つまり元通りになる事がゴールではないし、元通りに戻す事を目標としてはいけないのですね。しかも限られた期限の中で先の見えないところを考えながらリハビリテーションは進みます。
先が見えないのにゴールっていう言葉はやはりしっくりこない。
なので、私は着地点・ランディングポイントという言葉を使うようにしています。
人生にはリハビリテーションで定められる明確な期限はありません。リハビリテーションの期限を過ぎても人生は続きます。機能向上を求めたリハビリテーションはその方の生活全てを考えた上で行われるものであって、その場所で完遂するものではありません。
その場所はあくまで人生という長い時間の中で立ち寄る着地点であって、殆どの方はそこでの目的を達成したらそこからまた次の着地点まで出発します。旅と同じ。
現時点での着地点をどこにするのか。
その方には次の着地点があるはずっていうところまでを考える。
単純な言葉の使い方ってだけで、考え方がしっかりとしていればなんでも良いような気もしますが、これは私のこだわりですかね^^;
bon voyage!